積む場合、冬季は雨ざらしでもかまわないので、できるだけ風通しの良いところに積んでください。枠や棚等がない場合、写真のように両端だけを井桁に組み、その間に積み上げていけば崩れずに高さ1m以上積めます(小さいお子さんがいる場合は、あまり高くしないでください)。
すべてを井桁に、ゆったりと組んでいけば、風がよく通り理想的ですが、場所がその分多く必要なので難しいかもしれません。
壁との間に隙間を空け、全体に風が回るようにしてください。何列も並べる場合も、列と列の間はできるだけ空けてください。
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このページでは、薪の保管方法についてご案内いたいます。
薪ストーブメーカーの基準に沿って含水率(木質の重量に対する水分の重量の割合)18%以下の薪を製造することは、湿潤な日本では中々容易ではありません。
厳密に実行するには冬季に伐採した木を春までに割り、積んでおいた薪を翌冬ではなく2年目の冬に焚く、つまり伐採後丸2年、割ってからも1年半近く乾燥させることが必要とされ、これは狭い日本の住宅ではもちろん難しく、また零細な日本の林業者には酷な要求です。
したがって実際の「日本式」の薪作りは、冬に伐採した木をなるべく早く割り、乾燥の努力を尽くして翌冬に焚く、ということが一般的です。薪ストーブ店などがこのやり方を否定することもよく見かけますが、理想を追求するあまり、薪の入手自体が困難になったり、不当表示が横行するようになったりしては本末転倒です。
もちろん、冬伐り、春割りの1年作りの薪が、そのままでは含水率15%の気乾状態にはならないのは厳然たる事実です。しかし逆に2年乾かしたからといって、これ以上の高値で売れる状況ではありません。
2年越しが可能な業者やユーザーにはぜひトライしていただきたいのですが、より現実的なのは、薪の製造者と薪ストーブユーザーが、協力して何とか乾かすルール作りです。
【東京薪市場】では、「乾燥薪」としての乾燥度の目安は、含水率20%以下と考えています(「良い薪・悪い薪の見分け方」ページ参照)。ただ、市販のものでこれをクリアできていないものも多いのが現状で、含水率を明示した上で25%以下のものは「乾燥薪」のカテゴリーで販売しています。
自宅で丸太を割る薪ストーブユーザーを含めた薪製造者の方には、大割でいいので、できるだけ早い時期に割っていただきたいと思います。
積む場合、冬季は雨ざらしでもかまわないので、できるだけ風通しの良いところに積んでください。枠や棚等がない場合、写真のように両端だけを井桁に組み、その間に積み上げていけば崩れずに高さ1m以上積めます(小さいお子さんがいる場合は、あまり高くしないでください)。
すべてを井桁に、ゆったりと組んでいけば、風がよく通り理想的ですが、場所がその分多く必要なので難しいかもしれません。
壁との間に隙間を空け、全体に風が回るようにしてください。何列も並べる場合も、列と列の間はできるだけ空けてください。
日光が当たるに越したことはありませんが、陽あたりを犠牲にしてでも風通しの良いところを選んでください。
もし冬の間に割って木枯らしに当てることができれば、乾燥は急速に進みます。
乾燥した空気を吹き付けることが最善です。乾燥機のある室内におけばどんどん乾きますが、コストの面でそれは無理ですから、できるだけ風をあてることです。
春になったら、雨よけを考えます。
雨に多少ぬれたからといって、含水率が逆戻りしたりしませんので、風がなく湿った屋内よりは、風がある屋外に出しておくのがベターです。
雨にぬれて困るのは、カビや虫の発生です。ビニールでもトタンでも、簡単な屋根をかけておけばOKです。
ただ、ビニールハウスなど温室になる建物があり、その中に人工的に風速1m以上の風を常に起こすことができれば、これは木材乾燥機そのものですので、絶大な効果があります。
本来、乾燥さえできるなら薪はできるだけ割らない方が良く、薪ストーブに入る大きさなら丸太のままでも良いくらいです。
【東京薪市場】では薪はできるだけ大割のものをお勧めしていますが、大割の薪は乾燥にも時間のかかることが悩みの種です。
そこで、すぐ乾く細かいものと組み合わせにして販売・購入するか、ユーザーが斧で一部だけ細かく割っておくようにします。
細かいものがスタート時の着火に使えるだけではなく、シーズンの出だしの薪として使い、ストーブ脇に太いものを積んでおけば、これはみるみる乾いていきますので、数日間程度のストックをストーブ脇に積めるように工夫して、順繰りに焚いていくのは、とても賢いやりかたです。
購入した「乾燥薪」の含水率表示が20%まであと少しの場合も、同様の工夫をお願いいたします。
薪ストーブが「金持ちの道楽」と揶揄された時代から、環境対策の象徴となりつつある現在、薪の生産者と薪ストーブユーザー、そしてメンテナンスにあたる薪ストーブ店の協力で、安全で快適な薪ストーブライフが実現できるのです。