素直で割りやすい針葉樹ですが、よく質問のように誤解されています。
まず火持ちが悪いといわれる点ですが、ナラの説明の逆で、比重が軽い針葉樹は、同じボリュームなら当然ナラなどよりは早く燃え尽きます。同じ重さで量ってくべれば、同じ時間で同じカロリーが取り出せる理屈です(ただし、同じ重量なら表面積の大きいもの=比重の軽いものが火の回りが早い)。現に、ストーブの本場北欧では、針葉樹が燃料の主流だそうです。
炉内の温度が上がりすぎてストーブを壊す、というのもこのせいで、大量に空気を送り込めば、比重が軽く、重量当たりの表面積の大きい針葉樹は、一気に燃焼してしまいやすいことは確かです。逆に言えば同じ重さの広葉樹と同じ時間燃え続けるように吸気を調節してやれば、問題ないということです。
タールが多いというのも、乾燥不足からきます。本来タール分は揮発性分ですので、よく乾かせば問題ありません。多分、元来軽いスギやマツを、乾燥していると錯覚するところからくる失敗だと思います。
すぐ火がつき、火力を上げられるところから、時々しか焚かない方、火付けが苦手な方、ドンドンくべることを楽しみにする方、料理に使う方、今晩後少しだけ燃やして燃やしきりたい方など、針葉樹に向いている使い方もあると思います。
とはいえナラと同じ重さのスギを用意するには、倍近いスペースが必要になりますから、そういった意味では不経済ですし、現実問題、林業家がスギをいくら薪にしてもなかなか売れません。年間3,000万立方mが林内に放置されると言われる間伐材の活用のためにも、スギの燃料化を何とかしたいところですが、これについては「薪についての話題」で提案がありますので、関心のある方はご覧ください。
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